Wordpress

WordPressとは何か?

WordPressは、PHPという言語を基に構築されたCMS(コンテンツマネジメントシステム)と呼ばれるプラットフォームで、これを使ってウェブサイトやブログを作成することができます。

世界中で幅広く活用されているWordPressは、日本でも非常に高い人気を誇り、CMSの使用例の中では、その大部分がWordPressによるものです。これは個人ブログやアフィリエイトサイト、企業のウェブサイトやニュースメディアなど、多岐に渡る用途に対応しているからです。

記事を作成するインターフェースは直感的で理解しやすく、HTMLの知識がない方でも短時間でウェブサイトやブログの更新が可能となります。

その広範な普及の背景には、GPL(General Public License)というコピーレフト型ライセンスがあります。コピーライト型とは異なり、このライセンス形式では、著作権を保持しながらも再配布や修正が可能であるため、商用・非商用問わず無料で利用できます。

WordPressは2003年に誕生して以来、何度もバージョンアップが行われ、記事執筆時点の最新バージョンは5.8.1です。無料でありながらなぜ継続的な開発が可能なのかと言えば、それは世界中のボランティアによるWordPressコミュニティの努力と支援によるものです。このような特徴が、WordPressを信頼できる、そして適用範囲が広いツールとして位置づけています。

WordPressの利点は何か?

WordPressの利点は数多くありますが、その中でも際立つのは、「世界中に広範なユーザー基盤とその支援体系が存在する」という点です。

これにより、大量の情報が蓄積され、問題が発生した場合でも解決策を見つけやすい環境が整っています。たとえば、画像表示の問題などが起きた場合でも、インターネット上で解決策を探すことが可能で、大抵の場合、解決への道筋が見えます。

また、インターネットの世界ではセキュリティリスクが常に存在しますが、WordPressでは、セキュリティの脆弱性が発見された場合でも、早期の対応が行われることが多いです。このような重要な情報はSNSを通じて素早く拡散され、ユーザーの安全を確保することに寄与します。

さらに詳細は後述しますが、サイトのデザインを変更する「テーマ」や新しい機能を追加する「プラグイン」も豊富に開発されており、一般的なウェブサイトの要件に合わせて、適切なテーマやプラグインを見つけることが容易です。これらの点がWordPressの優れた点となって、その信頼性と専門性を高めています。

専門的な知識は必要最小限:HTML、CSS、そしてSEO対策

WordPressを利用すれば、既存のテーマとプラグインを活用することで、基本的なウェブサイトやブログを作成する際に、HTMLやCSSの詳細な知識を必要としません。基本的なウェブサイトの知識だけでも十分な場合がほとんどです。さらに、スマートフォン対応やSEOの内部対策も特別な手間をかけずに準備することが可能です。

特に注目すべきは、近年のWordPressでは「ブロックエディター」という直感的にページ内容を編集できる機能が備わっていることです。これにより、多くのデザイン要素を直接ブラウザ上で作成・編集することが可能となっています。これらの特性により、WordPressは専門性と信頼性を保ちつつ、ユーザーフレンドリーなプラットフォームとなっています。

手軽にスタート可能: WordPressの使用開始

WordPressは初心者でも容易に利用を開始できる点が強みです。多くのレンタルサーバーサービスがWordPressのインストール機能を提供しています。この機能を活用すれば、いくつかの簡単なクリック操作でWordPressをセットアップすることが可能となります。

具体的なイメージが難しいかもしれませんが、実際に試してみることが一番の理解方法です。多くのレンタルサーバーサービスではサーバー申し込み時に2週間の無料お試し期間を提供しています。まずはこの期間を利用して、自身でWordPressを試してみることをお勧めします。専門性と信頼性を持ったこのプラットフォームが、あなたのオンラインプレゼンスを向上させるお手伝いをします。

WordPress使用上の注意点

WordPressの広範な利用者層は、その便利さと拡張性の証拠でありますが、一方でこの大きな利用者群がクラッカー(不正アクセスを試みる者)からのターゲットになりやすいというリスクも孕んでいます。

しかし、これらのリスクは、以下の基本的なガイダンスを守ることで大きく減少します。

  • WordPressの最新バージョンを常に利用する
  • 強固なパスワードを設定し、定期的に更新する

これらを怠ると、セキュリティホールが生じ、クラッカーが不正アクセスするための足がかりを作る可能性があります。このような事態は現実に起きており、それが他のサイトへの攻撃に繋がる悪循環を生む場合があります。

これらのガイダンスは、あくまで最低限の注意点ですが、スマートフォンやパソコンのOSと同じく、日々の運用に必要な対策です。つまり、特別に神経質になる必要はなく、基本的なセキュリティ対策を踏まえつつWordPressを利用することが重要です。

WordPressの運用について

WordPressはCMS(コンテンツマネジメントシステム)として機能し、通常の静的なウェブサイトと異なり、ページ表示に際してはデータベースからリアルタイムにコンテンツを取得します。このため、一定の処理時間が必要となり、表示速度が若干遅くなる可能性があります。

また、WordPressの柔軟性からプラグインの利用が容易になっていますが、これを過度に使用すると、また不必要なCSSやJavaScript、広告などが増えると、それぞれがシステムのパフォーマンスに影響を及ぼし、サイトの動作速度を遅くする可能性があります。プラグインやスクリプトは必要最小限に抑え、サイトの動作速度を維持することが重要です。

WordPressのテーマとは何か?

WordPressのテーマは、ウェブサイトのレイアウト、色、装飾、その他のカスタマイズが組み込まれたパッケージです。各テーマはウェブサイトの見た目や機能を決定し、特定の目的に最適化されています。テキスト中心のブログ、写真が主体のサイト、企業サイトなど、さまざまな種類のテーマが提供されています。

テーマは大きく「国産」と「海外製」、「無料」と「有料」の四つに分けることができます。海外製のテーマは数が多く、スタイリッシュなデザインのものも多いですが、英語ベースで作られているため、日本語の表示に問題が生じる場合もあるので注意が必要です。

無料のテーマと有料のテーマについて

無料のテーマ

無料のテーマは、公式リポジトリから探すのが最も簡単な方法です。既にWordPressを使用している場合は、「外観>テーマ>新規追加」から検索できます。公式リポジトリの全てのテーマは100%GPL(General Public License)ライセンスなので、安心して使用できます。しかし、公式リポジトリ以外のテーマを使用する場合は、ライセンスを事前に確認してください。

有料のテーマ

一方、有料のテーマは利用の際に費用が発生します。これらのテーマでもライセンス形式に違いがあり、その中には100%GPLの有料テーマとGPL非準拠の有料テーマが含まれます。

100%GPLの有料テーマはGPLに準拠しており、購入後に複製や再配布が可能です。これは例えば、2つ目のウェブサイトで同じテーマを使用することが許可されていることを意味します。

一方、GPL非準拠の有料テーマは、いわゆるスプリットライセンスとなります。これはテーマのPHPファイルがGPLである一方、画像やCSSはGPLに準拠しないという形式で、1つのウェブサイトでのみ利用でき、複製や再配布に制限がある場合があります。

テーマを購入する前には、そのライセンスをしっかり確認することが重要です。WordPressのコミュニティは100%GPLのテーマを推奨しており、例えばWordCampのようなイベントにスポンサーや登壇者として参加する条件でもあります。

WordPressのプラグインとは何?

WordPressのプラグインは、追加機能を提供するためのツールを意味します。新しくWordPressをインストールしただけでは、基本的な機能しかないシンプルな状態です。ここでプラグインの役割が重要となり、これを使用して必要な機能を追加していくのです。

プラグインの例として、「Contact Form 7」はウェブサイトにフォームを追加できるものや、「EWWW Image Optimizer」は画像サイズを圧縮してくれるものなどがあります。これらのプラグインはプログラミングの知識がなくても、または特別な画像編集ソフトがなくても、ユーザーが必要とする機能を提供してくれます。

しかしながら、プラグインの使用には注意が必要です。プラグインを過度に利用するとWordPressの動作に影響を及ぼす可能性があります。また、更新が止まったプラグインはセキュリティリスクをもたらす可能性があるため、必要性を吟味し、定期的に更新状況をチェックすることが推奨されます。もしプラグインの更新が止まってしまった場合は、他の代替のプラグインを探すことを検討すると良いでしょう。

WordPressを始めるためには何が必要?

WordPressを利用するためにはいくつかのステップが必要です。

  • レンタルサーバーの契約
  • ドメインの設定(既に持っている場合は不要)
  • WordPressのインストール
  • HTTPS化

レンタルサーバーの契約

まず、WordPressを動かすためのサーバーが必要となります。ここではレンタルサーバーを契約することをおすすめします。特に初心者の方や、サーバーの管理に自信がない方はレンタルサーバーの利用が理想的です。

ドメインの設定

次に、ドメインを設定します。多くのレンタルサーバー契約では無料でドメインが付与されますが、個人利用でも法人利用でも、自分自身のドメインを取得することが推奨されます。

既にドメインを所有している場合は、このステップをスキップし、次のステップへ進みます。

WordPressのインストール

そして、WordPressのインストールを行います。多くのレンタルサーバーでは、管理画面から直接WordPressをインストールできます。インストールする際は、先ほど設定したドメインのディレクトリを選択してください。

HTTPS化

最後に、サイトのセキュリティ向上のために、HTTPS化を行います。これらのステップを経ることで、WordPressを使って自分だけのウェブサイトを作成することが可能となります。

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